結婚式は日本と中国どちらで挙げる?両国での挙式スタイルと費用の考え方
中国人女性との結婚が決まったとき、多くの方が最初に直面するのが「結婚式はどちらの国で挙げるのか」という問題です。ご本人同士は「形式にはこだわらない」と考えていても、いざ話を進めると、双方のご家族の希望や費用の問題が絡み合い、思いのほか調整に時間がかかるものです。
当相談所でも、成婚後のご相談として最も多いテーマのひとつがこの挙式の場所選びです。この記事では、20年以上にわたり国際結婚をサポートしてきた経験から、挙式スタイルの選択肢と費用の考え方、そして両家の期待をどう調整していくかを、順を追ってご説明します。
結婚式の選択肢は大きく4つ
まず全体像として、国際結婚のご夫婦が選ぶ挙式スタイルはおおむね次の4つに分かれます。
- 日本で挙式・披露宴を行う
- 中国(新婦の地元)で披露宴を行う
- 両国でそれぞれ行う
- 挙式は行わず、記念写真(フォトウェディング)のみとする
どれが正解ということはありません。ご夫婦の考え方、双方のご家族の状況、そして予算によって最適な形は変わります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
日本で挙げる場合
新郎側の親族や職場関係者に披露しやすいのが最大の利点です。一方で、新婦側のご家族やご友人を日本に招くには、渡航費や滞在費、場合によっては査証(ビザ)の手配が必要になります。招待できる人数がどうしても限られるため、新婦側の出席者が少なくなりがちな点には配慮が必要です。
中国で挙げる場合
新婦のご両親や親族に晴れ姿を見せられることは、先方のご家族にとって大きな意味を持ちます。中国では「娘の結婚式を地元で披露すること」が親の面子(メンツ)に関わると考えるご家庭も少なくありません。新郎側は、ご自身とご両親など少人数で渡航する形が一般的です。
両国で行う場合
双方の家族・友人にきちんとお披露目できる、いわば理想形です。ただし当然ながら費用も手間も二回分かかります。実際には「中国では披露宴、日本では親族のみの食事会」のように、どちらかを簡素にして負担を抑えるご夫婦が多い印象です。
写真のみ(フォトウェディング)
再婚の方や、儀式的なことを好まないご夫婦に選ばれています。中国では結婚写真(婚紗照)を式とは別に撮る文化が定着しており、写真だけはしっかり撮りたいという新婦は多いものです。式を挙げない場合でも、写真撮影だけは行うことをおすすめしています。
知っておきたい中国の結婚式文化
場所を決める前に、中国の結婚式がどのようなものかを知っておくと、話し合いがスムーズになります。
「披露宴」が中心の文化
日本では神前式やチャペルでの挙式に重きを置く方が多いのに対し、中国ではホテルやレストランでの披露宴(喜宴)が結婚式の中心です。宗教的な儀式は基本的になく、親族や友人を招いて盛大に食事会を開き、新郎新婦が各テーブルを回って挨拶するのが一般的な流れです。地域によっては爆竹や迎親(新郎が新婦を迎えに行く儀式)など、にぎやかな風習が残っているところもあります。
日取りは「縁起の良い日」を重視
中国では結婚式の日取りに縁起を重視する傾向が強く、暦の上で吉日とされる日や、「8」のつく日、国慶節などの連休が好まれます。逆に縁起が良くないとされる時期を避けるご家庭もあります。ご両親が日取りにこだわりを持たれることは珍しくありませんので、日程は新婦側のご家族と早めに相談することをおすすめします。
地域差・世代差が大きい
中国は広く、都市部と地方、また世代によって結婚式に対する考え方は大きく異なります。近年の都市部では簡素な式を選ぶ若い世代も増えていますが、地方ではいまも伝統的な形式を重んじるご家庭が多くあります。「中国ではこうだ」と一括りにせず、新婦とそのご家族の考えを直接確認することが何より大切です。
費用はどう考えるか
費用については、地域・会場・招待人数によって幅が非常に大きいため、断定的な金額を申し上げることはできません。ここでは考え方の枠組みをお伝えします。
総額よりも「何にいくらかけるか」
日本での挙式・披露宴は、会場の格や人数によって数十万円から数百万円まで大きな幅があります。中国での披露宴は、都市部の高級ホテルか地方のレストランかで、やはり大きく変わります。大切なのは総額の多寡ではなく、「誰に見てもらうためにお金をかけるのか」という優先順位です。両家へのお披露目が目的なら食事会中心に、思い出づくりが目的なら写真に重点を置くなど、目的から逆算すると予算配分が決めやすくなります。
渡航費・滞在費も忘れずに
中国で式を行う場合は新郎側の渡航費が、日本で行う場合は新婦側ご家族の渡航費と招へい手続きの費用がかかります。式そのものの費用に目が行きがちですが、こうした周辺費用も含めて全体を見積もっておくと安心です。
費用負担の分担は事前に話し合う
中国では地域や家庭によって、披露宴の費用を誰が負担するかの慣習が異なります。また、ご祝儀(紅包)の習慣も日本とは異なります。結納(彩礼)の話と合わせて、費用負担の考え方は式の準備を始める前に、新婦を通じて先方のご家族と率直に話し合っておくことをおすすめします。
両家の期待をどう調整するか
挙式場所の問題は、突き詰めれば「双方の親の気持ちをどう尊重するか」という問題です。長年のサポート経験から言えるのは、もめる原因のほとんどが金額そのものではなく、「相談がなかった」「軽んじられたと感じた」という気持ちの行き違いだということです。
- 決定する前に、必ず双方の親に意向を聞く場を持つ
- 新婦側への説明は、新婦自身の言葉で伝えてもらう
- 「やらない」選択をする場合ほど、丁寧に理由を説明する
- 妥協案(食事会、写真のみ、規模縮小など)を複数用意して相談する
特に中国のご両親にとって、娘の結婚式は親戚や近所への大切なお披露目の機会です。日本側の事情で簡素にしたい場合でも、頭ごなしに決めるのではなく、選択肢を示しながら相談する姿勢が信頼につながります。
決め方のプロセス:おすすめの手順
実際にご案内している進め方は、次のような順序です。
- まず夫婦二人で「何を大切にしたいか」を話し合う(家族へのお披露目か、思い出か、費用の抑制か)
- 次に、双方の親の希望をそれぞれ確認する
- 予算の上限と分担の考え方を決める
- 選択肢を2〜3案に絞り、両家に提示して意見をもらう
- 日取りは新婦側の縁起の考え方も踏まえて調整する
この順序を踏むと、結果としてどの形になっても「みんなで決めた」という納得感が残ります。逆に、先に会場を押さえてから親に報告するような進め方は、行き違いのもとになりやすいので注意してください。
まとめ:正解は夫婦の数だけある
日本で挙げるか、中国で挙げるか、両方か、写真だけか。どの形にもそれぞれの良さがあり、正解はご夫婦の数だけあります。大切なのは、費用や形式の前に「誰のための式か」を二人で確認し、双方のご家族と丁寧に対話を重ねることです。
国際結婚の結婚式は、単なるセレモニーではなく、二つの家族が初めて本当の意味でつながる機会でもあります。準備の過程そのものが、これからの結婚生活の土台づくりだと考えて、焦らず一つずつ進めていただければと思います。当相談所でも、挙式に関するご相談を随時承っておりますので、迷われた際はどうぞお気軽にお声がけください。
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